花のタネあげます楽しみ物語


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目次

1. 花のタネを配っています 3. はじめてのひょうたん栽培 5. 朝顔のタネ採取の話
2. 出かける時もいつも持っています 4. ふうせんかずらのタネ発見 6. サンタさんになった話

 

1. 花のタネを配っています (2009.3.1.記)                              ページトップに戻る

 春のタネ蒔きの季節が近づいてきます。インターネットで朝顔やひょうたんのタネを配布していますが、「タネ請求」のメールも日増しに増えてきました。

 もう5年も前のことになりますが、ひょんなことからひょうたんを栽培して、タネがたくさん出たものですから、”タネあげます”の ページを作ったところ意外と喜んでもらえましてね。ひょうたんのタネはどこの種屋さんにでも売っているものではなくて、皆さん探しあぐねて私のページを見つけてくれ るそうです。

 それから、あちこち写真を撮って回っていますが、東京入谷の朝顔 まつりに行きますと、いつも一鉢買って帰ります。4種類の寄せ植えが2000円。ぎゅうぎゅうにつめて植えられていますから、家に帰って支柱をしてやると2階のベランダまでも伸びてたくさんの花を咲かせてタネができます。タネができると放っておくのもかわいそうで、せっせと採取をして、これも”タネあげます”の仲間に加えました。ひょうたんは大きな棚が必要で 手間もかかりますが、朝顔はちょっとした場所で簡単に作れますので多くの人が喜んでくれます。

 そんなことで、私の”日本を美しくしよう 花のタネあげます”も今は生活の一部になってしまって、配布の交流を毎日楽しませてもらっています。 皆さん、本当にいろいろな思いでタネを探しておられていて、人の気持ちの温かさを私の方が分けてもらっているような気がします。一方、”たかがタネ配布、されどタネ配布”という面もありましてね、これはこれでその対応の作戦を楽しんでいますが、そんなこんなタネ配布の楽しみ物語をこれから綴ってみ たいと思います。
 


2. 出かける時もいつも持っています                                             ページトップに戻る

  タネの採取癖が高じて9月になればたくさんのストックができます。採取したタネはせっかくのものですから、とにかく使ってもらって再び花を咲かせてやらないとかわいそう 。出かける時もいつもタネ一式を持って歩くのが私の習慣になっています。
 今日は和歌山港からと徳島港に向かう南海フェリーに乗っています。二等船室のがらがらの大部屋におばあさんが一人で壁にもたれて座っています。 おばあさんがひとり何の旅だろう、無表情に周りを眺めて座っています。
私はタネの袋を持って、
「おばさん、朝顔のタネは要りませんか?」
おばあさんはけげんな顔をして緊張します。
「庭で採ったタネですが、よかったらもらってください。せっかく採ったから使ってもらわないと。」と言って、袋からタネを広げます。
「朝顔が色別にいろいろ、ふうせんかずらはタネがかわいいでしょう。」
「ひょうたんもあるけど、棚がいりますからねえ。」
おばあさんはとたんに表情を緩めて、「私、花作りが好きなんよ。」と言って、朝顔をもらってくれます。
「タネまきは5月の連休ですよ。必ず芽が出るからじっくり待ってやってください。」

 すっかり穏やかになったおばあさん、こんな笑顔に後押しされて、私のタネ配布もしだいに板についてきました。



3. はじめてのひょうたん栽培                                                    ページトップに戻る

 
それで、ことの発端の初めてのひょうたん栽培。小学2年生だった孫の純平がひょうたんを作りたいと言い出した。以前住んでいた埼玉の家の近くで見ていたらしい。多喜子ママが横浜の種屋さんを探し回ったそうだけど、どこにも売っていない。それで足柄のじいちゃんに「ひょうたん作って」の電話になりました。
 「よっしゃ!」ということで、あちこち探したら小田原の老舗の種屋さんで見つかった。
タネまきをして、棚を作って、大した勉強もしない手探り栽培でしたが、 白い花が咲いて、小さな実が生って、それがあっという間に大きくなって、棚がきしむほどにたくさんぶら下がって。
夏の暑い日にツルの案内や害虫退治など結構手間がかかりましたが、毎日楽しませてもらって、夏の終りには大きなひょうたんを収穫することができました。
すぐにタネ出し作業をして乾燥ひょうたんを作って孫さんたちに贈り物。純平にはいちばん大きなものを、女の子たちにはスタイルのよいかわいいものを。

 そこで残ったのが大量の見事なタネ。十分に水にさらされている ので見た目もきれいで、捨ててしまうには忍びない。
そうだインターネットに出してみよう。毎日の手入れで真っ黒に日焼けしたし、あのタネ出しの臭いは強烈だったけど、これは皆さんにもきっと最高のストレス解消の”タネ”に なるにちがいない!



4. ふうせんかずらのタネ発見                                                   ページトップに戻る

 やっぱり小学2年生だった孫娘の千夏さんの夏休みの問題集に、4種類のタネの写真が載っていた。「これは何のタネでしょう?」という問題で、回答例に”ひまわり””ふうせんかずら”など と出ている。
庭にご近所の富沢さんからいただいた”ふうせんかずら”が実っていて、千夏さんと一緒に調べてみて驚いた。
梅干のようにしおれたふうせんかずらの実に中に、かわいい黒白模様のタネが律儀に3個づつ入っている。
千夏さんは”わぁ、ハートマークだぁ”と言って喜んだが、予想だにしなかった愛らしいタネである。

 そんな衝撃から、ふうせんかずらも仲間入りをして間もない頃、鹿児島の本田さんという人から「ふうせんかずらのタネを分けてもらえませんか」とのメール。
「いいですよ、送り先を教えてください。」の返信をしたら、
「実は私、結婚が決まりまして、それで結婚式の出席者の方にハートのタネをお持ち帰りいただきたいのです。」とのこと。 
年配の園芸愛好の人かと思ったら結婚まじかの若い人で、こんなおめでたいことのお役に立てるとは嬉しい話。
「はい分かりました。お幸せに」と書いて、300粒を送ってあげました。

ふうせんかずらは葉も実も清楚で、さらに”ハートマーク”のタネが印象的で、 パンダ模様と呼ばれたり、モンキー模様と呼ばれたりもしながら、多くの人に愛されています。



5. 朝顔のタネ採取の話                                                        ページトップに戻る

 東京入谷の朝顔まつりで買ってきた4本植えの朝顔の鉢植え、家に帰って一回り大きな鉢に植え替えてやると、ツルがどんどん成長して2階のベランダまで届くようになります。赤、アズキ色、青、水色と4色が交じり合った花のカーテンが毎朝の楽しみです 。
 それでタネ採取の話、タネはやっぱり花の色別に採取したくなりますが、タネの顔を見て識別できる訳ではありません。
毎朝、花が開いている間に、赤は赤、アズキ色は黄色、紫は黒、などと決めた目印のビニールテープを一花毎の茎に貼り付けておくわけです。花が少ない初めのうちは難なく作業ができますが、ツルが茂って花が多くなってくると、これはまあたいへんな作業で、 タネ採取の頃にはツルが絡み合ったりもして間違いも出てきます。

 こんなことはやっておれないと、3年目からは品種ごとに棚を作りましてね、庭中を棚の要塞にしてしまいました。これなら楽勝、この大量採取作戦が功を奏してタネ配布はますますエスカレートすることになりました 。

 一方、タネをお送りした方からは「お礼に私のタネもどうぞ」と言って、いろいろなタネを送って下さる。しだいに増えて去年は18種類もの朝顔を栽培することに なりましたが、今年は30種類以上にもなりそうです。5粒ずつタネまきをしても150個ものポットが必要、棚も30個、タネ採取用の袋も30枚、乾燥用の箱も30個、 などなど・・・、 どうしよう!



6. サンタさんになった話                                                       ページトップに戻る

 ここでまた小学生さんの話。岡崎市に住む3年生の喬君がサンタさんにお願いしたいいちばん欲しいものは”ひょうたんのタネ”だそうで、プレゼントを探しあぐねた 喬君のお母さんから楽しみ村にメールが入った。
「すみませんがサンタさんになっていただいて、クリスマスに届くようにタネを送ってくれませんか。」
「息子宛にして、送り主名に『サンタクロースより』と記入していただけたら、たいへんありがたいです。」とのこと。

ええっ!と驚きましたが、早速、喬くん宛てのサンタさんからのカラフルな手紙を用意して、タネと一緒に封筒に。
一度封をしてしまってから、「待てよ、サンタさんの差出人住所が”南足柄市”ではマズイ。」
もう一度封筒を作り直して、差出人は”サンタの国のサンタクロースより”にして、これでよし。

後ほどお母さんから、「 息子は朝目覚めた時に、『サンタさんからプレゼントが届いていない』と、妹がプレゼントを開けるのを横目に、少し目から涙が・・・。日記にも『僕にはサンタさんが来なかった』と書いていましたが、昼頃、郵便が届くともうルンルンで封筒も手紙もタネも宝物ファイルにしまっていました。今度は、サンタさんからの手紙をうらやましく思う妹に、息子は『勝った!』と言わんばかりに鼻をふくらませています。」

「息子は小学3年生ですが、まだサンタクロースを信じています。いつまでも信じてくれるといいなあ・・・とバカ親をしています。」 と。

さらに後ほどお母さんからお礼にと岡崎の銘菓「八丁味噌カステラ」を送ってくださった。コクのあるしっとりとしたカステラでたいへんおいしかったけど、それ以上に、暖かい家族の輪に私も加えてくださって、本当にありがとうございました。



7. 配布もいよいよリーチです                                                    ページトップに戻る

  桜が咲いてタネまきの季節ももうすぐになりました。タネの配布もいよいよリーチがかかって来て、ひょうたんは4月中旬まで、朝顔は5月中旬までが配布のタイムリミットです。最後の希望者にも応えてあげたいし、かと言って残して捨てるのもかわいそう、最後の”在庫管理”に気がもめます。
 それで、多めに残ったタネは人の集まるところに行って、「タネあげるよ〜」のパフォーマンス。桜の上野公園や大阪城で配ったり、高速道路のパーキングエリアで配ったり。
 最後の最後は京都の葵祭りでの配布です。祭の行列は10時半に御所を出発しますが、カメラマン達は7時前から場所を取って待機していて、また一般の観光客も